季粋の宿 紋屋
 
季粋の宿 紋屋

女将のこだわり・心遣いが感じられる、モダンな和風宿。

2016年3月21日 宿の女将のメルマガ 357号

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     ■       「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
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■  ■ ■■■■ ■  1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
  ■   ■     開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
 ■  ■■■■■   とのかかわり等など。
■ ■ ■   ■   きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
  ■ ■■■■■   宿の女将のメルマガです。
  ■ ■   ■   
  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2016.3.21発行 第357号
                           
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◆ つながる思い ◆


三寒四温ですが、皆様体調管理は大丈夫ですか?


気温は寒くても日差しは本当に春めいてきました。

それだけでもなぜか気持ちが明るくなります。

みなさまの心にも春の優しい日差しが届きますように。



このところ、以前のようにはメルマガも書けなくなってきています。

同じ題材ではあまり書きたくないですし、今は怖い時代なので、

下手なことは書けないと思うせいもあります。

何はともあれ年をとったのだと思います。



お客様をお迎えする気持ちも変わりはありませんが、

昔に比べると臆病になったと思います。


思いもよらないクレーム、一方的な思い込みが強いアンケートなどに

疲れるようになったのです。


気にしなければいいとよく言います。

もう2度と来ないのだから、諦める。忘れる。

でも、私は以前からそれが苦手で、2ヶ月も3ヶ月も深刻に悩み続けて

やっと答えが見つかるというタイプでした。



今は流石にそれはありませんが、

いやなことがあっても必要以上に落ち込むことなく、

お客様を迎える喜びを失いたくないと思います。



気持ちが通じ、喜んで頂けた場合は、ものすごく嬉しい。

やっぱりこの仕事はいいなと単純に喜んでニコニコしてしまう私が居る。

結果的に喜んで頂けた場合以外にも、電話などでお祝いの相談などを承ると、

すごく闘志が湧いてくる。

何でもしてさしあげたいという気持ちで一杯になる。

そういうことが殊の外、好きなのだと心の底から思います。

どんなに辛いことがあっても、それにめげないで、

喜んでくださる大好きなお客様のために、

いつまでも新鮮な気持ちでいたいのです。



   この一年くらい、接客への情熱が低迷していた。

   そんなことではいけない。悲しい。

   そう思いながらも、なかなかスランプから抜け出せませんでした。



ところがいつからなのでしょうか。少し変わってきました。


本日もあるお客様のお部屋で、4歳のお子さんがよくお話する男の子でした。

お話が上手なのねと話しかけると、いよいよ調子よくお話するのです。

驚いたことにそのお子さんは、


   「僕が一番好きなのは、なんといってもママとかえで(妹さん)。

    そしてここのお店の人たちも好きだよ。」と言ったことです。


本当に目が丸くなりました。

それはそのお家のご両親がそう言うように強制したわけではありません。

きっと自然にそう思えたのですね。

次々話すそのお子さんに困ったような表情のご両親様。

私はそのお子さんからとっても素敵な言葉のプレゼントを戴いた。

こんなことは接客の仕事じゃないと味わえないことだとつくづく感じました。

紋屋のスタッフが自然にお子さんたちと温かく接していることが、

小さなお客さま達に通じるのですね。



だから紋屋では、赤ちゃんの時からある程度の大きなお子様になるまで

ずっと来て下さる。

お子様の方で紋屋に行くとおっしゃってくださるのです。

紋屋ですごす家族時間が、

子どもたちやご両親さまの思い出のアルバムになるんだな。

ゲームセンターもプールもないのに…。



また、本日だけじゃなく、昨日も7、8名のご家族様が結構いらしていたのですが、

あるお客様は、腰に尿の袋があるから、ベッドのある部屋にしてほしい。

もしくは簡易ベッドを入れてほしい。というお客様でした。

チェエクインなさったお客様は66才。

ご年配のお客様は、きっと80歳は超えているだろうと思えました。

ですので、お祝いしてさし上げることにしたのです。



デザートの時に席に伺うと、皆様がもう既に喜んでいてくださっていました。

「料理がとても美味しかったよ」と口々に。

有り難いことです。

そしてお祝いがはじまると更に盛り上がり、

片付けに走るアルバイトさんを捕まえて拍手隊に仕立て、

とても良い雰囲気となりました。

初めてのお客様ですが、「また伺います」とおっしゃってくださいました。

予約の電話も私が承ったこともあり、アンケートには



   「毎年家族で旅行していますが、紋屋さんが一番良かった。

    おかみさんのお気持ちが伝わりました。」と書いてありました



失敗することもある。

怒られることもある。

でも、心が通じる大事なお客様のために落ち込んでいちゃダメよ。

そのお客様とは1回しか会えないかもしれないのだから。



そのたったの1回をどれだけドラマチックにお客様にとっても

   「ここ人たちはみんないい笑顔だったな」

   「また来てみたい宿だったな」

   「あの時の接客係は誰だったのかな」と

いつまでも心に残るように接したい。

特別なことをしなくても十分に伝わるように、心をいつも熱くしていたい。



いつからまたそう思えるようになったのか分かりません。

きっかけは何だったのか。

でも、もしかしたら、それも小さなお客さまのおかげかも。


いつも新鮮な思いでいるということは、簡単ではないけれど、

私が嫁に来た頃からのお客様はみなさん、私の新鮮な接客によるものでした。

どうしたらお客様が喜んでくださるのか。

いつもいつも感動的には出来ないけれど、そう思い続けていきたい。



従業員に対しても、お小言を言うばかりが能じゃない。


   みんなが目をきらめかせ、喜んで働いてもらえるように、

   お客様と同じように考えていきたい。

   たくさんの給料はあげられないけれど、

   楽しかったなといつか思ってくれるように、

   労働環境を整えていきたいと思います。



いろいろな宿づくりへの思い入れ、お客様への思い入れ、忘れずに前に進みたい。

久しぶりにそう思えたのでした。


   嫌なことが起こらないということは、まずない。

   そのことによってダメージも受けるでしょう。

   でも、大事なことは、ダメージをうけることではなく、

   それによって成長できる自分づくりなのです。

   いつも周りに感謝して苦しい時も笑っていたいですね。




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e-mailエッセー「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」・隔週日曜発行
 著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
   発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
   発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
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◆素顔の女将◆


2013年に創玄書道会で「秀逸」という賞を取った家内だが、今回も同賞を受賞。

昨年は毎日書道展で、公募としては最高位の毎日賞を受賞したり、

ここのところ書道が好成績の家内。

カメラの勉強も楽しそうだし、そんな家内を見ているとこちらも嬉しい♪〜

                           (by aruji)