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■ 「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
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■ ■ ■■■■ ■ 1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
■ ■ 開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
■ ■■■■■ とのかかわり等など。
■ ■ ■ ■ きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
■ ■■■■■ 宿の女将のメルマガです。
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http://www.monya.co.jp 2015.2.8発行 第350号
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◆ 一期一会 ◆
先日、あるエピソードを聞きました。
ある日、あるご夫婦の夕飯時、ご主人様が珍しく奥様に対して、
「お酌してくれ」と言いました。
奥様は、珍しいなと思いながらも、
「今忙しいから自分でやって」と言いました。
ところが、それから数時間して、ご主人は急死してしまったのです。
奥様は「なんであの時お酌をしてあげなかったのだろう」と
後悔なさったそうです。
ちょっと聞いただけで、その情景が目に浮かぶようなお話です。
つい毎日、夫や妻は明日もいると思ってしまう。
でも、それは不確かなことです。
物騒な世の中ですから、出掛け先で何者かに刺されるかもしれません。
突然、病気が発症して帰らぬ人になるかもしれません。
だから毎朝起きたら、隣で家族が息をしているか確かめて、
その日に生を賜ったことを最近感謝しています。
先日、最後にご到着なさったお若いカップル。
ご案内にお部屋までお伴した者が、
「先程のお客様、メルマガの読者だそうです。
お話したいそうです」と伝えてきました。
そうなんだ!
その言葉がなければ、お若いカップルだし、
おじゃませずに終わってしまったかもしれません。
紋屋へ来るので、
事前に調べる上でメルマガを読んでみたのかしら?と思いつつ、
デザートの時にお話に伺いました。
すると、その方は、
「はじめの頃から読んでいます。」とおっしゃるのです。
はじめの頃とおっしゃると、私のメルマガは1999年10月からです。
仮に2、3年後としても、かなりお若いだけに不思議です。
ご本人曰く「多分中学生位だったと思います」とのこと。
その頃、ちょうど同じようなテレビ番組をやっていて、
それで興味を持って読み始めたら、面白くてやめられなくなったとか。
特に、今お仕事がサービス業だというわけではないそうです。
不思議な気持ちながら、なんて嬉しいお言葉でしょう!
続けていてよかったなと思え、感動が体中を駆け抜けました。
嬉しすぎて、その感動をうまく表現できませんでしたが、
「いつか一度行ってみたいと思っていた」という
そのお客様のお言葉が、しみじみ心にしみました。
今までにも、何組かメルマガの読者の方がお越しになった事がありましたが、
まだ中学生の頃からお読みくださっていた方はいらっしゃいません。
いらしてみて、「本当にそうなんだ。」と思えたことがいっぱいあって、
そのお客様も、感激なさったそうです。
やっぱり接客の仕事はやっている価値がある。
こんなに沢山の方々と接することができる仕事はあまりない。
お金を頂戴してお礼を言われる仕事も少ないでしょう。
つい、クレーマー的なお客様に遭遇して疲れ、
長年の間に新鮮な気持ちが劣化しがちでしたが、目がさめるようでした。
自分の生活も、自分が幸せだと思えば、
どんなに貧乏でも幸せなのと同じように、
すべて仕事も自分の心掛け次第で
楽しくもつまらなくもなるものなのですね。
私は誰よりも敏感なので、
このお客様は喜んでいる。あちらのお客さまは気に入ってない。など、
口を利かなくてもわかってしまう部分があります。
仮にお気に召さなくても、一生懸命お迎えし、その結果は仕方がない。
自分自身に合うお客様でなくても、常に心新たにお目にかかることを喜ぼう。
自分が心から喜んでお迎えし続ければ、
それは必ず小さな実を生む種になっていくでしょう。
きっと大変な心通じ合う大切な御縁が生まれても来るのです。
最初は、お互いに何も知らない間柄なのに。
素敵な出会いに乾杯。
疲れ具合でうまくいかない時もありますが、それも人間。
笑顔で吹き飛ばしましょう。
自分の仕事を楽しみ、お客様にも更に楽しんでいただきましょう。
みなさんも時々初心にかえりましょうね。
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e-mailエッセー「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」・隔週日曜発行
著 者:高尾葉子 okami@monya.co.jp
発 行 者:高尾憲資 aruji@monya.co.jp
発 行 所:季粋の宿 紋 屋 otazune@monya.co.jp
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◆素顔の女将◆
「ありがとう」の反対の意味は、「当たり前」だそうだ。
ありがとうは有り難うと書く。ある事が難しいという意味。
だから、当たり前や当然が反対となる。
当たり前を当たり前と思わず、ある事が難しい「有難う」と思うこと。
当たり前と思っていることに感謝することが大切、というエピソードだった。
家内にも、
フェイスブックに載っていたそのエピソードを見せたところ、
涙目になっていたが、私もその話しが胸に迫って来て、
思わず家内を抱きしめた。 テヘッ(^^ゝ
(by aruji)