季粋の宿 紋屋
 
季粋の宿 紋屋

女将のこだわり・心遣いが感じられる、モダンな和風宿。

2015年1月25日 宿屋の女将のメルマガ 第349号

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     ■       「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
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■  ■ ■■■■ ■  1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
  ■   ■     開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
 ■  ■■■■■   とのかかわり等など。
■ ■ ■   ■   きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
  ■ ■■■■■   宿の女将のメルマガです。
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  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2015.1.25発行 第349号
                           
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◆ 高齢者時代に入って ◆


先日、お越しになったご夫婦様は、到着の時から少し不愛想でした。

話しかけてもあまりいいお返事も笑顔もなく、

おもてなししづらいなぁと感じました。

駐車場でお迎えした者も、お部屋へのご案内した者も

何となく感じるそっけなさがありました。


もちろんお客さまですから、

お迎えする側に笑顔を振りまく必要はないのですが、

やはり人間対人間ですから、正直なところ、

にこやかなお客様のほうがこちらもおもてなししやすいものです。



ところが、お帰りになってからアンケートを拝見すると、



   親の介護の合間に気晴らしにやって来ました。

   大変美味しい食事に胃袋を掴まれたようです。

   本当に大満足でした。

   また、明日から介護に頑張れるし、やさしい気持ちで接しられると

   思います。ありがとうございました。日帰りで十分な場所です。

   機会があったら、またぜひとも来館(宿泊)したいと思っています。


という内容でした。



そうだったのか.....。重く深い内容です。


考えれば子育てのストレスでも、

皆さん「あしたから元気に頑張れる」と書いてくださっています。

でも、子育てと介護、

やっぱり介護の方がなお一層心に重くのしかかるのですね。



   子育ては疲れても、子供の様子は可愛いし成長もする。

   楽しみもついて回ります。自分に向かって可愛い笑顔も振りまきます。

   基本的に大変なのは同じでも、心の負担はかなり違いがあります。

   そして、子育て年齢と介護の年齢でも違いはあります。



最近では、子育てと介護と両方を抱えていらっしゃる方もあるそうですが、

信じられないくらい大変なことだと思います。


確かに介護は、笑顔もなくすし、自分自身の人格さえも壊しかねないほど、

負担は大きいでしょう。

上手に楽しく介護なさる方もありますが、そういうご家族はごく一部です。



   私自身も自分の将来も含め、

   姑がいつまで元気でいてくれるのかと心配ではあります。

   今年85歳ですから。

   私の母も同い年ですが、もうグループホームに入っています。



入所していれば、決して一人になることはないので安心。

しかし、やはり狭くてやることもないので、どんどん足は衰えるし、

この頃は妄想が膨らむようで、おかしなことを言っています。

昔の本来の母の姿はもう皆無で、

あんなにおしゃれでいつも身だしなみをきちんとしていた母も、

今では見る影もなく、もう本当の母はいなくなってしまったのと同じ。

寂しい限りです。



どんな姿でも生きていてはほしいですが、

自分もいつかはそうなると思うと切ないですね。

長生きがいいのか悪いのかわかりません。



最近ご高齢の親御様をお連れになるご家族様もいらっしゃいますが、

一緒に旅行に来られるだけで大変幸せなことだと思います。

でも、下の方はどうなのか、おむつなのか。

その場合お風呂はどうなさっているのか。

おむつを入れる袋を差し上げるのも失礼ですし、

いかがなものなのでしょう?考えることは多いです。



以前に用があって女性の大ブロに顔を出した時、

一人の年配の女性がおむつでした。

中には顔を潜める方もあるでしょうね。

今のところ、そのようなクレームはありませんが、

おねしょをしてとても悲しそうなお顔をして帰られたお客様も

過去にいらっしゃいました。



残念ながら紋屋は階段だらけで、小さな段差も結構あります。

大風呂に手すりもありませんから、

あまり積極的にご年配のお客様を誘導できません。



   旅行の目的は人それぞれですが、たいがい、疲れがたまった時とか、

   記念日などに合わせてとか、そのようなことが多いですね。

   私達お迎えする人間は、

   ちょっと無愛想だからと気むずかしいお客様だと思うのではなく、

   どんな方でもにこやかに笑顔でお迎えしなければならないと

   強く思いました。



お迎えしていて、最も楽しいひと時は、

小さなお子様を交えてお客様と私ども双方で会話が弾むとき。

笑いが部屋中に飛び交って紋屋ならではの空気だと思えます。

私どものスタッフたちも、どんなに疲れている時でも、

お客様と話していると、その時は元気になってしまうようです。

そういうところは、ありがたくも嬉しくも頼もしくもあります。



アロマセラピストや私達観光業は、一生懸命お客様をいやして

逆にありがとうを言ってもらえる幸せな仕事です。

そうしたことを忘れずにこれからも一日一日大切に、

また楽しく元気で過ごしたいと思います。



   最近いらしたおなじみ様も笑顔の裏に、

   親御様の痴呆の問題があったそうです。

   みんなこれから私達世代は、

   重い問題を背負っていかなければならない。

   ですから、たまにはのんびりしましょう。

   一生懸命お迎えしてまいります。




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 著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
   発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
   発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
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◆素顔の女将◆


10月の台風で壊れて改修中の部屋に飾る、女将の書が額装されて届いた。

書道展に入選した作品だが、客室に飾られるのが楽しみ♪〜

書道展といえば、以前、一緒に見に行こうとした時、

私が小さめのバッグを携えていたら、

   「小さいバッグじゃダメよ!」と言われた

   「なんで?」と聞くと

   「展覧会の作品集を買うんだから、入らないじゃないの!」

最初から、人のバッグに入れて持たせる気でいた家内だった(>_<)

                           (by aruji)