季粋の宿 紋屋
 
季粋の宿 紋屋

女将のこだわり・心遣いが感じられる、モダンな和風宿。

2014年9月13日 宿屋の女将のメルマガ 第345号

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     ■       「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
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■  ■ ■■■■ ■  1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
  ■   ■     開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
 ■  ■■■■■   とのかかわり等など。
■ ■ ■   ■   きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
  ■ ■■■■■   宿の女将のメルマガです。
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  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2014.9.13発行 第345号
                           
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◆ 思い出とともに ◆


本日、毎年夏にお越しになっているおなじみ様から、

奥様が昨日亡くなられたとご連絡をいただきました。



   本当に驚いて、なんと申し上げて良いのかわからなくなりました。



8月になった段階で、予約台帳にお名前がないことに気づき、

今年はどうなさったのだろうと心配していたのです。

もちろん他の宿を選ぶことも考えられますし、

こちらからご連絡を取るのもおかしい。



   でも、なぜかとても気にかかりました。



いつもは早く取らないと貸し切りがとれなくなっちゃうと、

早々と貸し切りのお風呂のご予約をいただくのです。

海がお好きで、いつもご家族で連泊でのご利用になります。



2年前に珍しくご夫婦のみでお越しになり、

ご結婚10周年をお祝いしたことも、昨日の事のようです。

お子様とご一緒だとあまりわかりませんが、

本当にご夫婦様が仲のいいこともその時によく伝わりました。



1年ほど前から体調が悪くなられたとのこと。


今年も「紋屋に行きたい」としきりにおっしゃっていたそうです。

「秋になったら行けるよね」ともおっしゃっていたそうで、

よほど毎年の紋屋の旅がご家族の恒例行事となっていたのでしょう。



前回お目にかかった時はお元気そうでしたのに、

まさかこんなことになるとは.....。

お子様もまだ小さくていらっしゃる。

今後のことも、ご主人様にとっても重くのしかかるでしょう。




毎日明日もいることが当たり前だと思い、

つい悪口を言ったり、喧嘩をしたりしてしまいますよね。


私は毎朝起きると、今日も生きていることに感謝をし、

家族も元気でいること、地震も起きずに無事であることに感謝をしています。

それでも、喧嘩をしたりくだらないことにくよくよします。

それも、無事で生きていることがあたりまえだからなのです。


それが当たり前でなくなったら、誰も喧嘩をしない、

くだらないことに悩まなくなりますよね。



非常事態でなくても、当たり前に感謝をする。


いつ、その非常事態にならないとも限らないのだから、

毎日その時々を大切にしたいものです。



毎年の恒例の紋屋旅を実行してくださっているおなじみ様は

多くいらっしゃるのですが、だんだんお子様が大きくなるに連れて、

受験や習い事や、クラブ活動やらでお越しにならなくなる。


   でもそれまでの間、長年お見守りする。

   本当に有り難いこと。


その多くのご家族様のひとつ、ふたつこうしてご家族様が欠けていかれる。

悲しいことです。



ご年配の方でもショックを受けるのに、

今回は亡くなられた奥様がまだまだお若くていらしたことに、

本当に言葉を失いました。



   まして、紋屋のフィスブックへの投稿が亡くなられた翌日です。



よほど奥様が、今年の夏、紋屋に来られないことを

気にかけていらしたからだと痛感しました。



まさかこんなことになっているとは知りませんでした。

だからなぜか、いつもより強く「今年はお見えにならないな」と

夏の間、何度も思ったのかな。

奥様の思いが伝わったのかなと思います。



   ご主人様もお辛いでしょうに、

   その中で紋屋にお知らせくださったことを

   私は深く深くありがたく思いました。

   奥様、ご主人様ありがとうございます。

   ずっと忘れずにいます。



神様は必ずこの世にいて、苦手な試練を与えられる。

その時にどれくらい笑顔でそれを乗り越えたかを

神様は見ているとききますが、

こんな悲しみの中でどうやって笑っていられるのかと考えます。



こういう時はせめて、知り合いである私達は奥様の供養に笑顔で、

ご主人様の分も笑顔でいたいと思います。

奥様の魂は死んだりはしない。きっと紋屋のそばにいらっしゃる。



震災の時は、お住まいのことでお電話を頂き、5,6年前の夏には、

お子様との思い出つくりのご相談を戴いたこともありました。

これからもお手伝いをさせていただきたい。

お子様たちはどうしていらっしゃるのか。



悲しみや心配はつきませんが、

私としてはご連絡を有り難いと思い、誇らしくも思いました。


     これからもずっとみなさまの思い出とともに、

     紋屋はあり続けていきたいと思います。



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e-mailエッセー「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」・隔週日曜発行
 著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
   発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
   発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
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◆素顔の女将◆

紋屋のフェイスブックページに突然届いた、訃報のメッセージ。

あまりのことに、二人して絶句.....。

以前送っていただいたお子様の画像を見ながら行く末を案じ、

ただただ、奥様のご冥福をお祈りするばかりです。合掌。

                           (by aruji)