季粋の宿 紋屋
 
季粋の宿 紋屋

女将のこだわり・心遣いが感じられる、モダンな和風宿。

2014年6月24日 宿屋の女将のメルマガ 第343号

クリックで写真拡大
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
     ■
     ■       「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
■■■■■■■■■■  
■  ■ ■■■■ ■  1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
  ■   ■     開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
 ■  ■■■■■   とのかかわり等など。
■ ■ ■   ■   きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
  ■ ■■■■■   宿の女将のメルマガです。
  ■ ■   ■   
  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2014.6.24発行 第343号
                           
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


◆ 再会に思うこと ◆


私が再婚をし、紋屋に嫁に来て最初のころのお客様は、

私が非常に新鮮な気持ちで働いていることにふれて

ファンになってくださった事が多かったようです。

兎にも角にも右左わからない中で、一生懸命さが伝わったのでしょう。

劇的におなじみ様は増えました。



そのころのお客様で、今でもお越しになっているおなじみ様は、

もう、お友達のようでもあります。

また、親戚のようでもあり、ありがたいことだらけです。

しかし、お互いに時を刻み、お客様の方でもご両親が亡くなったり、

離婚してお名前が変わったり。

いろいろな辛い出来事で、印象がかわってしまうお客様もあります。



中には、もう来られないだろうなぁと思うおなじみ様も、

数組いらっしゃいます。

     ご病気でこられないお客様、

     そしてもう年金生活だからとお断りになる方など。

お仲間でお越しいただいていたあるおなじみ様は、

今年の春、旅立たれました。寂しいことです。



先日、ここ10年お越しになっていなかったおなじみ様が、

何組かお越しになりました。旅番組に久しぶりに出演した効果で、

「懐かしいね」とお越しになった親子様もありました。

予約表には、20代と書かれてあるのに、お名前は昔のまま。

変だなと思いましたが、娘さんのお年のようでした。


そのお客様は、お母様の方が私のメルマガをずっと読んでくださっていて、

「久しぶりだけど、久しぶりな気がしないわ」とニコニコなさっていました。


     以前お越しになったときは、紋屋に来る途中で事故にあわれて、

     大変長い時間をかけて紋屋にお越しになられました。


     そのことを申し上げると、

     「そういうこともありましたね」と。

     親子様の間でも、少し昔のことを思い起こして

     遠くを見ている感じがしました。




また、いつもお越しになると、顔パスでないと気に入らない

あるおなじみ様が、やはり10年ぶりにくらいにお越しになったのです。

すっかり足元がおぼつかなくなっていて、驚きました。

おめにかかれてよかったなと思う気持ちと、

お病気をなさったんだなぁと実感しました。



ご病気で倒れられ、闘病中の病院で奥様が、

     「いつか良くなったら、また旅行に出かけようね」

と声をかけた時、どこがいいかと尋ねたところ、

     「紋屋さんに行きたい」とご主人様が仰ったそうです。

「紋屋に行っておかみに会うんだ」と入院中に仰ったというのです。

お客様も私が元気でいるかどうか、逆に心配もなさったようでした。


     「元気そうでよかった」とご主人様。

     そうおっしゃるお客様は、あまり元気ではなさそうです。

     でも、ご家族でお越しになれた。

     それだけでも良かったと、様々な思いが浮かびました。


今回は、娘さんご夫婦とお越しになったのですが、

病床で紋屋に行きたいと仰ったことを重く受け止め、

娘さんのご主人の行為で今回旅が実現したとのこと。


     感動的ですよね。


こちらのお客様がお越しにならないうちに、

私のほうは父が亡くなりました。

なので、「親孝行は今のうちですよ」と申し上げました。



女将をやっていてよかったな。そう思えることの一つです。

本当に嬉しい再会でした。

そういうことがあるから、やっぱりこれからも頑張れる。

毎日笑顔で顔晴ろう!




先日、久しぶりにお電話をいただいたおなじみ様は、

電話口で奥様の元気がありませんでした。

ご主人の病状が良くないとのこと。

前回お越しの時は、まだお元気だったのになぁと悲しくなりました。

抗癌剤の副作用もあるとのこと。苦しんでいらっしゃるそうです。


私が足を病んだ時に、懸命に励ましてくださった奥様。

つい、その思いが心をよぎり、いつもより元気に励ましてしまいました。


     「カラ元気が大事です。一寸先は光なんですよ」と。




私が、とてもとても大事に思っているあるおなじみ様、

先日お越しになりました。

でも残念ながら、「しばばくは長いお別れ」だそうです。


ふるさとの北海道へお帰りになってしまうとのこと。


    「なんということでしょう!」


大変尊敬し、私自身の目標としているそのおなじみ様に、

もう会えなくなってしまう。とても深い悲しみが胸を塞ぎました。


     出会いがあれば、必ず別れも来る。

     だから仕方がない。

     でも悲しい、どうしようもなく悲しい。

     でも私にわざわざ会いにいらして下さった。

     感謝しなくては!


人との出会い、再会、別れ。なぜずっと一緒にいられないのでしょうね。

でも、その出会い再会別れを乗り越え、涙をぬぐったり喜んだりして、

人生模様が錯綜する。



そんな思いを経験できる自分でいつまでもいたいと思います。

同じ接客業でも、そういう類のエピソードの少ない方は多いはず。

単純に表面だけのその一瞬だけのお付き合いではなく、

ずっと心に残り続ける、

人と人としての信頼を築き上げられる私自身でありたい。

別れても忘れる事のない、

そんな信頼をこれからもずっと築いていきたいです。



これからもたくさんの素敵な出会いがありますように。




---------------------------------------------------------------------


■このメルマガを書いている おかみ・高尾葉子に、

 応援メッセージをいただけると、とても本人の励みになります。

 下記アドレスより直接届きますので、宜しければお願い致します(aruji)

           okami@monya.co.jp


■メルマガにも書かれているように、facebook も始めました。

 もし宜しければ、「高尾葉子」で検索して友達申請してあげてください。



 ─[NEWS]────────────────────────────
|      ◆ メルマガ「南房総かわら版」配信中! ◆     |
|                                |
|    南┃房┃総┃   *宿屋や旅行社の賢い利用法など、   |
|    ━┛━┛━┛    お得な旅行情報のご提供       |
|   か┃わ┃ら┃版┃  *南房総の季節の歳時情報のご案内   |
|   ━┛━┛━┛━┛  ご登録は、http://www.monya.co.jp から |
 ────────────────────────────[NEWS]─


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
e-mailエッセー「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」・隔週日曜発行
 著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
   発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
   発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
  295-0102 千葉県南房総市白浜町白浜232
   TEL 0470-38-3151 FAX 0470-38-3153 
HomePage http://www.monya.co.jp
本メールマガジンに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。
Copyright (c) 1999-2014, Monya Ryokan. All rights reserved.

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆素顔の女将◆


「北海道へ行っちゃうんですって!」

涙を拭いながら事務所に入ってきた家内が言う。

とても気持ちの通じたお客様なので、家内はいたく悲しそう。


でも、出会いがあれば別れがあるし、新しい出会いもあるかもしれない。

そういう前向きな気持ちで、お客様に接して行こうね。

                            (by aruji)