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■ 「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
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■ ■ ■■■■ ■ 1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
■ ■ 開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
■ ■■■■■ とのかかわり等など。
■ ■ ■ ■ きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
■ ■■■■■ 宿の女将のメルマガです。
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http://www.monya.co.jp 2014.5.25発行 第341号
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◆ 心に残り続けること ◆
先日、あるご夫婦様がお越しになられました。
マタニティのプランで奥様が妊娠8ヶ月だそうです。
きっとお二人だけでのご旅行は、もうこれで最後。
思い出つくりにこられたのだと思います。
お食事も美味しく召し上がれたそうで、おふたりともとても満足そうでした。
体調のお話や、今後のお話などさせていただいたのですが、そのあとで.....
驚いたことにそのお客様は、
娘時代にご両親と紋屋にお越しになったとおっしゃるのです。
ご両親様も、「今度紋屋に行く」と伝えると、
「あ〜、一緒に行ったところね」とおぼえていらっしゃるというのです。
それには驚きました。
「そうなんですか! ありがとうございます。
覚えていてくださったんですね。」
お客様も、「中がとても綺麗になっていて、驚きました」と。
その頃は今より改装が進んでいなかったのでしょう。
その奥様の場合は、おばあさまも老人会でいらしたことがあるそうです。
更にそれにも驚きました。
それだから選んでくださったというわけではなさそうですが、
どちらにしても嬉しい事ですね。
最後に紋屋旅館の名前の看板の前で、記念撮影。
ご両親に見せるそうです、
十数年前、皆さんは行かれたお宿どれくらい覚えていますか?
全てのお宿の名前覚えていらっしゃいますか?
私は、覚えている宿は数件ですね。(この仕事を初めてからの宿は別)
どの県の○温泉位は覚えていても、なんという宿だったのか、
なかなか思い出せないものです。
あの宿では足袋をご案内の時に持ってきてくれたとか、
あの宿でのあの料理が美味しかったとか、断片的になるのです。
私が小さいころ、何時も家族で毎年のように通っていた宿は、
箱根に有りました。
特別その宿の誰かのファンに成ったわけではなかったですが、
何時もお気に入りのお部屋と、
お気に入りの家族風呂に入るのが楽しみでした。
家から通いやすくて、時間もそう掛らず、気軽に何時もの宿の何時も部屋。
安心感が有りました。
おみやげも決まった楽しみがあり、お気に入りの作家のこけしと寄せ木細工。
お気に入りのおまんじゅう。
何時も同じというのが、家族の間で実家のようだったのです。
帰りに立ち寄る神社も何時も同じ。
建て替えになったら、その後は行かなくなりました。
私は前職で東京都下の百貨店に勤めていました。
その街に根付いている百貨店だったので、
大変顧客率が高かったのが特徴です。
顔を見れば、そのお客様のお名前もお使いのものも、何でも頭にすぐ浮かぶ。
お買い物がなくても立ち寄ってくださったり、
お茶菓子の差し入れがあったり。世間話に花が咲く。
私のコーナーのお客様でなくても、
私という一個人についてくださるお客様も多く、
それがまた嬉しいものでした。
宿の場合は、なかなかそう頻繁にお越しになることはありませんが、
私が何時も思い描く雰囲気はそのような状況です。
永い間には、亡くなるお客様もありますが、何度かお越しいただく内に、
紋屋でもだんだん心が通じる様になっていく過程が、
私にはたまらなく楽しいものです。
「紋屋は、私達にとっては特別な存在です」と
おっしゃっていただけるようになること。
そのご自身のお仕事で異動があったり、
家庭内の状況やら不安や苦しい状況など、教えてくださったり。
いつも、ご家族お揃いでお越しくださっているお客様が、
そのお一人が亡くなられる。
私達紋屋での思い出を何時も胸に刻んでくださって、
「来るたびに母に会えるような気がする」とおっしゃっていただける。
紋屋と家族で過ごした時間が重なりあい、
そこにスタッフや私達経営者とのつながりも出てくる。
人と人との心つなげる時が私にとっても生きがいを感じる時。
もう行くところもないだろうと、ついいつものお客さまには、
心配するのですが、お気に入りの紋屋の絶景。
お気に入りのおみやげ屋さん。それでいいのかもしれません。
いつまでも「皆様の心の宿で在り続けたい」と思います。
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e-mailエッセー「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」・隔週日曜発行
著 者:高尾葉子 okami@monya.co.jp
発 行 者:高尾憲資 aruji@monya.co.jp
発 行 所:季粋の宿 紋 屋 otazune@monya.co.jp
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◆素顔の女将◆
ここのところ、家庭状況の変化による休職や本人の志向するライフスタイル
のための間引き勤務希望などが出てきて、スタッフの絶対数が足りなくなっ
てきている。勤務シフトを組む家内は頭を悩ますこと暫し....。
ん〜〜〜、困ったねぇ。
(by aruji)