季粋の宿 紋屋
 
季粋の宿 紋屋

女将のこだわり・心遣いが感じられる、モダンな和風宿。

2014年1月6日 宿屋の女将のメルマガ 第334号

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     ■       「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
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■  ■ ■■■■ ■  1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
  ■   ■     開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
 ■  ■■■■■   とのかかわり等など。
■ ■ ■   ■   きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
  ■ ■■■■■   宿の女将のメルマガです。
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  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2014.1.6発行 第334号
                           
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            >> ご 挨 拶 <<


新しい年が始まりました。

どうぞ今年もよろしくお願いいたします。

午年ですので、

何か困ったことが発生ししても、うまーく回る一年であったらいいですね。


                          女将  高尾葉子



◆ お正月の小さな喜び ◆


いつもは、毎年ご家族で比較的静かに過ごされている紋屋のお客様。

今年は、あちらこちらでお祝いのお客様が多く非常に賑やかでした。



毎年元旦だけは、ご家族水入らずでお過ごしなので、

最近はほとんどお部屋周りをしない私も、

今年はお食事処を中心にあちらにもこちらにも顔を出させていただき、

お客様とのふれあいが好きな私には楽しいお正月でした。



昨年、父が亡くなった関係から年賀状は出さなかったのですが、

昨年お出しした私の手紙へのお返事のような年賀状が今年も何枚か来ていて、

そうしたお便りは、私にとって大変励みになるものです。




あるおなじみ様は、昨年春頃に久しぶりにお見えになりました。

その方は、はじめてお越しになってから結構年数もたっています。

最初は他のおなじみ様からのご紹介でお越しになったのです。


それでも、過去になんどか一緒にいらっしゃる女性が変わっていて、

どのようにこちらがリアクションをとっていいか、内心心配したのです。

チェックインの時にお土産を持ってきてくださり、

「僕のこと覚えていますか?」ときかれたので、

「もちろん覚えていますよ」と申し上げましたが、

ご一緒の女性は誰と来たのか気にならないのかしらと心配しました。



たまたまその日は社内的に忙しくて、会議などが重なり、

ご挨拶にはいかないことにしたのです。


そうしたら、お帰りになった後のアンケートで、

ご結婚なさったことが分かったのです。

そうだったのか!だったら教えてくださればいいのに。

お祝いして差し上げればよかった。あー残念!



それで、

     ご結婚おめでとうございます。

     教えてくださればお祝いしましたのに、

     会議が入っていて忙しく、

     お顔も見に行かなくてごめんなさい。

     今度よろしければご結婚記念日などにお越しください。

     歓待しますよ!

と、書いてハガキを出しました。



そうしたら、今度は「子供が生まれて今4か月です」という年賀状でした。

うわー!赤ちゃんが生まれたんだ、と私も大喜び。

そういうお便りがいただけるなんて私は幸せだな。

なんてお返事しようかな。文面を考える楽しみができました。




そして、11月頃お礼状をお出ししたお客様から、

私のハガキを飾ってあると、うれしい内容が書いてありました。


いつもはお返事が来ないおなじみ様からも、

「今年も癒されに行きます」というお便り。




     お互いの顔が見えていて、心の交流ができる。

     それが私の接客業の好きな理由の一つなのです。




はじめは知らない一期一会の世界。

再度来館になって、4度5度となっていくうちに気心が知れてくる。

もしくは初めから意気投合してしまうお客様もあります。




     お客様との交流を作り上げ、構築していく。

     一瞬だけ盛り上がっても、

     その後がなければつまらないと私は思うのです。




また、昨年お越しいただいたあるお客様。

息子さんとお母様でお越しになります。


毎年お母様のお誕生日をかねてプレゼント旅行をなさるというお客様。

お母様は80歳を超えていらしたので、お祝いしたのです。



その時のことをお母様はとても喜んでいらして、

今年も同じように祝ってほしいとのことでした。



元旦の夜家に遅く帰り、疲れた体と頭で社長とミーティング。

全く同じ内容のお祝いでは能がない。

でも、お母様は楽しみにしていらっしゃる。どうしようか...。



年末年始は忙しくて、こちらも余裕がない。

いつもしていること以外のおもてなしは、

なかなか作っているひまがない。

でも、指折り日にちを数えて楽しみにしていらっしゃるというお母様を

がっかりさせたくない。

何をしてさしあげたら喜んでいただけるのか。



そのお客様は、幸子というお名前でした。

だからその「幸」が入っている言葉か詩を、

なんとか小さい私の書の作品にして差し上げたらどうだろう、

と思いつきました。



そんな詩があるかなと考えた時に、

社長が、自分の母親がよく歌っている歌として

「ここに幸あり」のワンフレーズを口ずさんだのです。



「それ、いいわね」と童謡や唱歌、歌謡曲の本を出してみました。

書けそうな字なのかどのフレーズがいいか。何番の歌詞がいいか。



どんな人が歌っていたのか、私は見たこともない。

社長がネットで検索してくれて観ました。

歌詞は、想像より重みのある歌詞でした。


その歌がはやっていたころ、

ちょうどそのお客様はお若いころだったと思います。



時間がなくてうまく書けるのか、それが一番心配でしたが、

なんとかできました。



結果としては喜んでいただけました。

ご本人様よりも、息子さんのほうが喜んでいたかもしれないと思います。

お優しいその息子さんお母様のご入浴にも、

入り口まで送って差し上げていました。

あんな風に息子さんに思われたら幸せ。



そのお客様からは、お心づけもいただいたのですが、

なんと息子さんの奥様からで、

「母は、そちらへ伺うのを楽しみにしておりますので、

よろしくお願いします」というメッセージが託されていました。




     こうして、元旦から我が家では、

     お客さまへのおもてなしの話であったかい空気でした。

     お客様に少しでも喜んでいただくために、こころを尽くすこと。

     そうしたことを、一生懸命考えることが好き。




いつまでもいつまでもこうでありたいと思った、今年のお正月です。



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e-mailエッセー「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」・隔週日曜発行
 著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
   発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
   発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
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◆素顔の女将◆

私が小さい頃、
母がよく口ずさんでいた大津美子の「ここに幸あり」

いつも耳にしていたので、よく覚えている。


       嵐も吹けば 雨も降る
       女の道よ なぜ険(けわ)し
       君をたよりに わたしは生きる
       ここに幸あり 青い空


それを書いたらという私のヒントを元に、
最後のワンフレーズを書作品に仕上げた家内。

これって、二人連携の好プレーじゃないかな (^-^)v


(ちなみに、その作品は家内のfacebookに投稿してあります)


                            (by aruji)