季粋の宿 紋屋
 
季粋の宿 紋屋

女将のこだわり・心遣いが感じられる、モダンな和風宿。

2013年12月15日 宿屋の女将のメルマガ 第333号

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     ■       「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
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■  ■ ■■■■ ■  1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
  ■   ■     開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
 ■  ■■■■■   とのかかわり等など。
■ ■ ■   ■   きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
  ■ ■■■■■   宿の女将のメルマガです。
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  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2013.12.15発行 第333号
                           
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◆ 忘れないで ◆


紋屋では、7,8年前からベビーマッサージを取り入れています。

最初は紋屋の従業員二人が進んで挙手してくれたので、

本当に頼もしいことだと思っていました。


今は、そのスタッフも一人だけになってしまい、

ベビーマッサージ専任ではないので、お断りせざるを得ないこともしばしば。

非常に残念です。



   最近2組のお客様から、以前に教えてもらったベビーマッサージを

   今度生まれた下の子にもやってあげたいと、

   お越しになるお客様が続きました。



何年か前でもしっかりと記憶に残っていて、一組のお客様は、

その後もずっとマッサージをお子さんに続けてあげてきたのだそうです。


そのお子さんは今年4歳ですが、少し前まで免疫系の病気になってしまい、

その間もずっとマッサージをしてあげていたそうです。

病院の看護師さんからも「偉いですね。」と褒められました。


お子さんも、はじめてベビーマッサージを受けた時のエピソードを

ママから聞くのが大好きで、

同じ話を何度も話してほしいとせがむのだそうです。


4歳になった今でも、やっぱりマッサージが大好きで、

あまりご飯を食べないと「食べたらマッサージね。」と言って

励ましているとか。


   これだけベビーマッサージが浸透しているとは驚きでした。


再度お越しになった時の奥様の第一声が「3年たってしまいました。」

そしてお帰りになるときは「帰りたくないくらいです。」

ご主人様は、オーストラリアの方、奥様は韓国の方。

でもお二人ともぱっと見た目は日本人です。

普段は大変お忙しいらしく、今日の宿泊を目いっぱい楽しんでいらっしゃる。



   最後の最後まで、笑顔に満ち溢れたご家族さまでした。

   私自身も、このお客様との思い出の1ページができたなと感じました。




以前紋屋に入っていたセラピストから、ベビーマッサージというものがある

と聞いてはじめたものの、正直あまり高いご料金はいただけませんし、

ベビーマッサージがあるからと宿を選ばないと思います。


やっぱり食事や、接遇、プラン内容などで選ぶのだと思うのです。

ベビーマッサージは必然ではないし、

最悪の場合は、なくてもいいのかなと思ったこともありました。



しかし先ほどのお客様のように、もうすっかりマッサージがご家庭の中で

定着し、それと紋屋が結びついているとなると、

できる限り続けたいものだと思い直しました。


地元にも、最近ではアロマセラピストが増え、

ベビーマッサージの講習をしている方もいるようです。

なんとか灯をともしたいですね。




そして、二組目にお越しになったお客さまも、

「二人目の子供にも、ベビーマッサージとお食い初め膳で祝いたい。」と

お越しいただいたのです。


「前に来た時も○○だったね」とか「前の時も□□だったねぇ。」と

ご夫婦で話しながら過ごしていたそうです。


そんなにも思い出に残るもの。

記憶に残るということはとてもありがたい、なかなか無いことなのです。



   単なる「料理がおいしかった」「接遇がよかった」だけではなく、

   しっかりとそのお客さまの心の中に残っているもの。

   それが大事です。



おそらくベビーマッサージそのものが、子育ての悩みを聞き、

何らかの人間関係を築いて根を下ろせるものであるのでしょう。




最近「祝う旅」というお客様もとっても多いのですが、

事前にお便りを下さって、

家族構成やご来館の目的などを知らせて下さるお客様も出てきました。


かなりのプレッシャーですが、

お客様のご要望がある限り切り開いていかなければいけないでしょうね。



   もともと、人は単純においしいものを食べたい。

   いい景色に囲まれたい。そして満足した。

   それだけでは記憶にしっかりとは残らないのです。



確かどこかの宿に行ってとてもよかったな。

さて、どこのなんという宿だったかなと、わからなくなるのです。


温かい接遇を「うざい」と思う方もありますが、一期一会。

せっかく一時でも出会うのですから、決して忘れることない宿泊でありたい。



旅は、そう頻度が多くない。

ましてや同じ宿に泊まることなんて、一度もない方もある。

街中の商店とは大きく違うのです。


それだけに、今回ベビーマッサージの重要性を思い知ったのでした。



今、ベビーマッサージを担当しているスタッフは、

今まで特に手紙を出さなくても、

「何年か前に来た時に、あなたにベビーマッサージをやってもらいました。」

と言ってもらえることがよくあるそうです。


よほど彼女のベビーマッサージにおける接遇がよかったのでしょう。

普段お部屋へのご案内や、売店に立っていることが多い彼女。

客室係でもおかみでもないのに、お客様から人気なのです。

素晴らしいことですね。



   そういう人間で私もありたいし、

   紋屋のスタッフ一人一人がみんなお客様の心に深く残るような、

   何かを持てたら良いですね。



今日も一日、どうか一組でも二組でも、

紋屋を覚えていてくださるお客様に恵まれますように。




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   発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
   発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
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◆素顔の女将◆


家内は今、書の作品で「しゃぼん玉とんだ」に取り組んでいる。

指導する先生に自作を見せたところ、その先生が手本を書いてくれた。

ところがかえってそれに制約されて、
自分らしさが出なくなってしまったと家内は言う。

その作品を教室に持っていくと、教室の仲間からは、


       「しゃぼん玉が飛ばなくなっちゃったね」


さすがに書道教室を開いているような上のクラスの方々だけに、
見る目が的確で舌を巻いた(@.@)

                            (by aruji)