季粋の宿 紋屋
 
季粋の宿 紋屋

女将のこだわり・心遣いが感じられる、モダンな和風宿。

2013年12月1日 宿屋の女将のメルマガ 第332号

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     ■       「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
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■  ■ ■■■■ ■  1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
  ■   ■     開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
 ■  ■■■■■   とのかかわり等など。
■ ■ ■   ■   きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
  ■ ■■■■■   宿の女将のメルマガです。
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  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2013.12.1発行 第332号
                           
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◆ 客室係の喜び ◆


今年の5月頃、紋屋にお越しになる途中で交通事故を起こされたお客様が、

先日再度お越しになりました。


夏ころ、その後のお体の調子をお見舞いのお便りをお出ししたところ、

「ぜひまた伺います」とお返事もいただきました。



そのお客様はサーフィンをなさるようです。

お部屋にはスイムスーツがかけてあったと係から聞きました。

このあたりがサーフィンのメッカでも、なかなか事故を起こした時に

宿泊した宿に泊まらないですよね。お返事をいただいたものの、

さすがに本当に同じ年のうちにお越しくださるとは思いませんでした。



渡辺謙に似た美男子のお客様。

奥様も足が長くてまるで美男美女の俳優さんがご夫婦になったようです。

紋屋にお越しになる途中、

緊張して事故現場を通られたと話していらっしゃいました。


私もその日の思いをお伝えし、その様子を描いたメルマガをプリントアウト

してお渡ししました。奥様は、その文字を少しご覧になっただけで涙ぐまれ

ました。そして、その時に担当してくれた係にも挨拶に行ってもらいました。



係によるとお越しになる時に車中で、

       「あの方(=係)、いらっしゃるかしら?」

とお二人で話題になっていたそうです。



時間外に自発的に残って接待してくれた係は、

お二人にとって何より忘れがたい人となったのでしょう。



それを聞いた係も久しぶりに心が揺さぶられた様子で、

   「やっぱり、こういうことがあると、仕事のやりがいを改めて

    感じます。でも、私一人のせいではない。やっぱりみんなの力」

だと言っていました。



瞳を潤ませて感じ入った様子で、私も胸が熱くなりました。

きっと、お客様も同じだったと思うのです。

心配しながら事故後、なかなか連絡が入らないお客様をお待ちした私たち。


     「今病院にいて、これから向かいます。

      怪我もたいしたことはないです」と連絡があって、

みんなで「よかった」と喜び合ったことを思い出しました。


お客様も、きっと接遇が温かいこと、それが決して会社から命じられて

仕方なくやっているという感じではなく、本当に心から体が痛いお客様を

思って温かく接遇したのだと感じたのだと思います。


そういうことができる従業員がいることは財産だとつくづくおもいます。

そして、全員が同じように振る舞える人であってほしいと願います。



宿屋にお越しになるお客様。

満室だとしても、どの程度それぞれのお客様の心に響く接遇ができるのか。

そして、それを覚えていてくださるように努力しているのか。

なかなか難しいことだと思います。



そうでなくても長時間勤務になりやすい職場。

ましてや、通常より更に長く遅くなることを率先してやってくれる。

そんな人はなかなかいないです。



今回の彼女も、昔は褒めるとすぐに舞い上がって自慢してしまう人でした。

お客様と仲良くなるのは昔から得意でしたが、自分ばかりが目立ちたくて、

困ったこともありました。



     それが、今回は舞い上がるのではなく、

     胸にジンときた様子で、涙ぐんでいました。

     しみじみうれしかったのでしょうね。

     仕事のやりがいを深く感じたそうです。


うれしいですね。



この日は、どの従業員も、みんな頑張ってくれていました。

ありがたいうれしいことです。


1日に1組も再度お越しくださるようなお客様が見つからない日も

ありますし、ふつうは、とりあえず何もトラブルがなくてよかったなと

思って終わるのです。


     よい日は、毎日やってきません。



つらいことも多いですけど、たまにとびっきりの良いことがあるから、

この仕事を続けていけるのです。



   日々お客様をお迎えする中で、

   どれだけお客様が発しているヒントに気づけるか。

   どんな気持ちで厳しいお客様をも謙虚に心静かにお見送りできるか。

   起きたことにどれだけの反省や新しい発見ができるか。



仕事に限らず、すべて自分の気持ち次第なのだと思います。


今回のお客様をお迎えし、この厳しい旅館業を改めて見直した一日でした。




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e-mailエッセー「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」・隔週日曜発行
 著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
   発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
   発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
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◆素顔の女将◆

以前はかなり重症の便秘症だった家内は、お腹のマッサージを自分で念入り
にするようになってから、ずっとお通じが良いらしい。

以前が以前だけに、一年以上具合が良いのは家内としては驚異的。

それだけに、お通じが悪いとふさぎがちだし、調子が良くなると大喜び。

こんな話題が日頃飛び交う“くさい仲”の夫婦です(笑)

                            (by aruji)