季粋の宿 紋屋
 
季粋の宿 紋屋

女将のこだわり・心遣いが感じられる、モダンな和風宿。

2013年6月2日 宿屋の女将のメルマガ 第325号

クリックで写真拡大
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
     ■
     ■       「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
■■■■■■■■■■  
■  ■ ■■■■ ■  1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
  ■   ■     開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
 ■  ■■■■■   とのかかわり等など。
■ ■ ■   ■   きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
  ■ ■■■■■   宿の女将のメルマガです。
  ■ ■   ■   
  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2013.6.2発行 第325号
                           
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


◆ 事故発生 ◆


先日、午後4時ころ、当日お越しのお客様から電話がありました。


   「事故を起こしました!」と。


電話のそばでけたたましく救急車のサイレンが鳴っていて、

緊迫感が伝わってきました。

「お怪我の程度は?」とお聞きすると「それは、まだ...」と。

「また電話します」と言い残して、電話が切れてしまいました。



どなたがけがしたのか、対向車があったのか、

何もわからずずっと時間が流れました。

20時を過ぎても、21時になっても電話はありません。


もしかしたら、お怪我の方は亡くなってしまったのかしら。

電話どころじゃない状況なんだきっと!と

だんだん想像が悪いほうへと傾いていき、下手に電話もできません。



宿泊料はカード決済になっているから、

お客様もその点は心配していないのね、と言いつつも、

みんな「もうきっと来ないんだね」と声が暗くなりました。



いつもフロントは22時近くまでいます。

「やっぱり来なかったね」と係も退社して、

しばらくして電話がかかってきました。

「鴨川の病院を今から出ます。」という電話です。

「大丈夫だったんだ!良かった!」と待っていた人間はみんな目を輝かせ、

「擦り傷程度だったらしい」「良かったね」と言いながら、

ここへ来るのは22時半になるね、でも、夜だからもう少し早いかな?と

浮き立った雰囲気が上りました。



裏の寮に住んでいる係が、

「万が一いらした場合は私がやります」と手を挙げていてくれたので、

さっそく連絡して、みんなでまだかまだかとお越しをお待ちしました。


車はもちろん使えないので、タクシーに乗ってご来館。

美しくて細身の足の長い女性と、

ちょっとだけ痛々しいイケメンの男性が下りてきました。

想像よりはずっと元気。

対向車はいなくて、居ねむりをしてしまい、自爆だそうです。

女性にはけがはない様子。不幸中の幸いですね。


それならもっと早く連絡くださればよかったのですが、

きっと余裕がなかったのでしょう。

本来なら、いくらカード決済すみでも、

対応できないと言われても仕方がない時間帯ではあります。


でも私たちは、気持ちよくみんなでお迎えしました。

大事故でなくてよかったという、一つの思いでみんなが結束しました。



お客様も、

「皆さんに心配をおかけして、料理も出してもらいお風呂の手配もしていた

だいた。本当にお世話になりました」とアンケートに書いてありました。

翌朝も再検査のため、病院に向かうそうです。

きっとその後は、痛みが出てきて、しばらく辛い状況でしょうね。



以前にもオートバイで事故を起こし、

その痛々しいお体のままでお越しになったお客様もいらっしゃいました。

そのお客様は、その後も何度もお越しになっています。


でも、車は初めてでした。

途中で車が動かなくなったとか、そういうこともありましたが、

ともかく今回は、心配して少し疲れました。

皆さん運転には十分気を付けましょうね。




本当の意味でのサービス業というものは、このように時間の延長や、

対価をいただかなくてもして差し上げることが多くあるものです。

だからこそ、サービス業だと私は思います。

もちろんそれに付け込んで安くしてもらおうとするお客様や、

想定外の要望をわざと突き出すお客様は論外です。


決まり事は確かに大事ですが、

そこに人間としてのやさしさや思いやりのようなものが発生するのが、

サービス業ならではのことだと私は考えます。

もちろんできないことも多くありますけどね。



事故を起こしたお客様に料理を出してくれた従業員は、

私に頼まれたからではなく、自分からその役を買って出てくれたのです。

裏に住んでいるから当たり前(?)という部分は少しはあるかもしれませんが、

なかなか今日の若者の意識にはないことだと思います。


客室係はそうでなくても長時間勤務。心から感謝した次第です。

     皆さんもエールを送ってください。

     パチパチパチ。


こちらからお願いしたり命令したりせずとも、

自分で職場の最上の状況を判断できる。

それが理想ですよね。

その従業員がここ数年ずっと体調を崩していたのですが、

見守ってきてよかったなと思います。

やはり従業員は家族と同じ。大事です。



これからも、この「当たり前?」を、

極当たり前にやっていける紋屋でありたいですね。


ここのところ、比較的平穏な日々でしたが、

ちょっとびっくりした一日でした。


皆さんも安全運転でお願いします。



---------------------------------------------------------------------


■このメルマガを書いている おかみ・高尾葉子に、
 応援メッセージをいただけると、とても本人の励みになります。

 下記アドレスより直接届きますので、宜しければお願い致します(aruji)

           okami@monya.co.jp



 ─[NEWS]────────────────────────────
|      ◆ メルマガ「南房総かわら版」配信中! ◆     |
|                                |
|    南┃房┃総┃   *宿屋や旅行社の賢い利用法など、   |
|    ━┛━┛━┛    お得な旅行情報のご提供       |
|   か┃わ┃ら┃版┃  *南房総の季節の歳時情報のご案内   |
|   ━┛━┛━┛━┛  ご登録は、http://www.monya.co.jp から |
 ────────────────────────────[NEWS]─


≪次回予定≫
次号は、2013年6月16日に届けする予定です
                 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
e-mailエッセー「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」・隔週日曜発行
 著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
   発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
   発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
  295-0102 千葉県南房総市白浜町白浜232
   TEL 0470-38-3151 FAX 0470-38-3153 
HomePage http://www.monya.co.jp
本メールマガジンに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。
Copyright (c) 1999-2013, Monya Ryokan. All rights reserved.

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆素顔の女将◆


自分は運動オンチだから、運転をすると絶対に事故を起すからと、

運転免許を取らない家内。

     そのくせ、前をノロノロ走っている車がいると、

     「早く抜いちゃえ!」と私にハッパをかける。

車に乗ると性格が変る人がいるが、案外その口なのかも(^^;)

                             (by aruji)



●あるじの正体●


車に乗ると性格が変る人、いますいます!  私の隣にいつもいます。

   「世の悪を正している」とうそぶいて、

   対向車に「バキューンバキューン」とゆび鉄砲で撃つまねをしたり、

   ちょっと違反などしている車を見ると、

   「何やってるんだ、すっとこどっこい!」と口が悪くなる。

似たもの同士で、どうでしょう?

                             (by 女将)