季粋の宿 紋屋
 
季粋の宿 紋屋

女将のこだわり・心遣いが感じられる、モダンな和風宿。

2011年12月3日 宿屋の女将のメルマガ 第301号

クリックで写真拡大
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
     ■
     ■        「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
■■■■■■■■■■  
■  ■ ■■■■ ■   1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
  ■   ■      開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
 ■  ■■■■■    とのかかわり等など。
■ ■ ■   ■    きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
  ■ ■■■■■    宿の女将のメルマガです。
  ■ ■   ■    
  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2011.12.4発行 第301号
                           
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


◆ ここにしか来ないお客様 ◆


昨日、紋屋に3度目の宿泊のお客様がお越しになられました。

上の5歳のお子様は、障害のあるお子様です。

病名や詳しいことは伺いませんが、筋肉に力が入らず、
お父様はお食事中も、ずっと抱っこをしていらっしゃいました。


   すごく懐が大きな方だと感じるお父様。

   一生懸命愛情を注ぎ、

   そのお気持ちは十分にお子様に伝わっていると確信しました。


前回お越しのときはいらっしゃらなかった下の8ヶ月のお子様が、
なんらかの力や影響を上のお子様に与え、
元気になったら良いなと願いました。



ご予約では、上のお子様はあまり食べないので、
離乳食は一つで良いということでした。

きっとあまり食べないことと、本来は5歳のお子様は有料なので、
ご遠慮なさったものと私は思いました。

今回は、あまり召しあがらないお子様ということで、
特別に無料にしてあったのです。


でも、下の8ヶ月のお子様が普通に食べたら、
上のお子様は食べなくても何もないのは可哀想かな。

もしかしたら上のお子様も、下のお子様が食べていれば、
食べるかもしれないと思いました。

ゆりかごプランの場合は、通常3歳になるまでの間は、
お子様がお二人でも離乳食は無料です。


   なので、二つにすることをお奨めしました。


たまたまかもしれませんが、
この日、上のお子様は離乳食を完食したのです。

   ご両親様は、大変お喜びでした。



上のお子様は、声をかけると嬉しそうに見えました。

これから小学校にあがる年齢になったら、
どのようにして、就学するのだろう。

ご近所や学校の仲間は優しくしてくれるのだろうか?

他人事ながら、そのご苦労の大きさを思わざるを得ませんでした。


   健康な方には、

   なかなか身体的に苦労のある方の気持ちはわからないもの。


私は足が悪いので、他の方が歩いている姿を見ただけで、
とくに杖を突いてなくても、足の悪さの度合いがわかります。

健康な方々は、気がつかない。

仮に気がついたとしても、痛みが分からない。


   体の痛みだけでなく、心も痛むのです。


杖を突いているだけで、私の年齢では白い目で見られることがあります。

例えば百貨店の洋服売り場でも、
店員さんがちょっと偏見を持った目を持つのです。

足が悪いと、それだけで素敵じゃないと感じるから?

足の悪い人は、ファションに関心があってはいけないのでしょうか?



紋屋内でも、杖を突いているだけで、
お客様から変な目で見られることがあるのです。

大人でもそうなのですから、子供達の世界では尚のこと、
辛らつな言葉でからかわれることもあるのではないでしょうか。

そんなことを私が心配するのも、迷惑なことかと思いますが、
そっとお見守りしながら、ご家族のお幸せをお祈りしました。



ご主人様は、

   「私達は、旅行はここしか来ません。」

とおっしゃって下さいました。


上のお子様の体にあうバウンサーはありませんし、
決して快適ではないだろうと思うのに、ありがたいことです。


   特別なことをして差しあげることよりも、

   そっと熱い想いで見守ることが、

   どこかで温かく感じられるのかもしれません。



前もって、

   「大病後の母とうかがいます。」

   「退院したばかりの父の快気祝です」など、

よくメッセージ頂くのですが、ご病気の場合はお声掛けが難しく、
なんとお声をお掛けすれば良いのでしょうか?


お客様側に特に意図が無い場合もあれば、
特別な意図がある場合もある。

そのあたりが非常に微妙です。

そのようなメッセージを頂いたからには、
何らかのこちらのアクションを期待してのことなのかもしれない。

そう思うのですが、具体的におっしゃって頂く事が少ないので、
苦慮しております。



   そのようなメッセージを頂く宿というのも、ある意味では、

   そうした心遣いをしてくれる宿と察して頂いているわけで、

   嬉しいような気持ちもするのです。


少なくとも、私の代では細かな気遣いが出来る宿でありたい。

もちろん、疲れがたまって全く出来ない場合もありますけど。



   「私達は、旅行はここにしか来ません」


本当に嬉しいお言葉ですね。


もちろん、他へもお出かけ頂いて構わないのですが、
それだけ紋屋を気に入って下さっていることが、
そのお言葉で心に染みてきます。


単純に宿に行って、多くのお酒を呑んで騒ぐ。

それだけで良いお客様。

おそらくとても気楽でしょうけど。


   それよりも、

   もっと人として生まれてきたことを感謝出来るような

   お客様に恵まれたい。


さまざまな人間模様が織り成す煩悩と闘う人間同士で、

心と心のやり取りが出来る。


   ふとしたことから感じ取り、

   そっとお見守りできるおかみでありたいと思います。


大変だった今年1年、もうあと一月ですね。



---------------------------------------------------------------------


■このメルマガを書いている おかみ・高尾葉子に、
 応援メッセージをいただけると、とても本人の励みになります。

 下記アドレスより直接届きますので、宜しければお願い致します(aruji)

           okami@monya.co.jp



 ─[NEWS]────────────────────────────
|      ◆ メルマガ「南房総かわら版」配信中! ◆     |
|                                |
|    南┃房┃総┃   *宿屋や旅行社の賢い利用法など、   |
|    ━┛━┛━┛    お得な旅行情報のご提供       |
|   か┃わ┃ら┃版┃  *南房総の季節の歳時情報のご案内   |
|   ━┛━┛━┛━┛  ご登録は、http://www.monya.co.jp から |
 ────────────────────────────[NEWS]─


≪次回予定≫

次号は、2011年12月18日にお届けする予定です
                 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
e-mailエッセー「続・新米女将のひとり言/明日へのあゆみ」(隔週日曜発行)
 著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
   発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
   発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
  295-0102 千葉県南房総市白浜町白浜232
   TEL 0470-38-3151 FAX 0470-38-3153 
HomePage http://www.monya.co.jp
本メールマガジンに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。
Copyright (c) 1999-2011, Monya Ryokan. All rights reserved.

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆素顔の女将◆

不景気のせいか、最近、牛丼チェーンの「すき屋」によく強盗が
入ったという報道がされる。

チェーン店の警備の甘さを狙った犯罪で困ったものだが、
家内によると店名が悪いと言う。


   曰く、「すき屋」ではなくて、「すき無い屋」にしなきゃあ!


.....だ、そうです(^^;)

                            (by aruji)