季粋の宿 紋屋
 
季粋の宿 紋屋

女将のこだわり・心遣いが感じられる、モダンな和風宿。

2014年5月1日 宿屋の女将のメルマガ 第340号

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     ■       「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」
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■  ■ ■■■■ ■  1999年 日本初・旅館の女将によるメルマガ配信
  ■   ■     開始。経営の悩み、お客様への思い、社員や家族
 ■  ■■■■■   とのかかわり等など。
■ ■ ■   ■   きもちはいつまでも新米であり続けたいと願う、
  ■ ■■■■■   宿の女将のメルマガです。
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  ■ ■■■■■   http://www.monya.co.jp 2014.5.1発行 第340号
                           
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          >>テレビ放映のご案内<<


   5月4日の11:55〜12:25、テレビ東京放映の「厳選いい宿」で

   紋屋が紹介されます。http://iiyado.tv-tokyo.co.jp/


   GWのド真ん中の昼間にで誰が見るの?って感じですが(^^;)、

   宜しければ録画してお暇なときにでもご覧下さい。


                           aruji 高尾憲資




◆ 心通じるとき ◆


私達接客業に従事する者は、どのお客様にも喜んでいただきたい。

喜んで頂けた時の嬉しさから、この仕事を続けているのだと思います。


     しかし、どんなに一生懸命でも、

     心が通じないお客様もいらっしゃる。

     残念ですが、仕方がないことです。



25部屋の紋屋。

貸し切りのお風呂は予約でいっぱいな時が多いですが、ガラガラの時もある。

プランに付き分になっていても、使わない方もある。


それなのに、到着時に貸し切りのお風呂が取れないということだけで、

烈火のごとく怒るお客様が時々いらっしゃいます。

他の宿には、確かに空いていればいつでも入れる家族風呂がある場合もある。



紋屋の貸切風呂は事前予約制のお風呂です。

その辺りでミスマッチが生まれるのでしょうね。


到着時にもめると、その後も次々ともめることが多いもの。

本当に心が痛みます。



     今回は、やはり到着時にもめたお客様とのエピソードですが、

     非常に良い結果となったのです。



先日、ある旅行会社からのお客さまが2泊でお越しになりました。

その旅行会社のプランの中でも、最もリーズナブルなプランを選ばれて、

そのお客様はお越しになっていました。


チェックインの時に、そのお客様は開口一番

     「トイレは、シャワートイレになっておるんやろな」

とおっしゃいました。



紋屋では、まだ残念ながらシャワートイレになっていない部屋が

数室ございます。

だからこそリーズナブルなプランで使わせて頂いているのです。


     「申し訳ございません。本日のお部屋は、

      シャワートイレにはなっておりません。」


そう申し上げると、

     「なんや、いまは日本国中で77%がシャワートイレなんやぞ」

と怖いお顔をなさるのです。



その日は空いている日でしたし、

ランクアップして差し上げることはもちろんできなくはありません。


しかし、旅行会社の中でも手数料が高い会社からのお客様、

しかも、最もリーズナブルなプランを選んでのお越し。

どうしたものか考えました。


お客様のほうでも、プランがいくつかあって、その中で選んだプランが、

一番お求めやすいお値段であることをごご存知でした。


やはりここは、しっかり基本をお話した上でのご相談にするべきだと考え、

ご説明しました。


「料金を払ってもええ」と仰るので、ご料金を申し上げrました。

すると、「そんなにするんか。もうええ。」


内心、到着してすぐにこうしてもめるのはいいこととは思えませんでした。

しかし、基本は基本です。

しっかり普通にご料金をお支払いのお客様のためにも、

お話はしっかりしておこうと考えました。


77才と書いてあるそのお客様は、お体はまだそう悪くはなさそうです。

眺望の良いお部屋にプラス料金でお通しするのが適切なように感じました。


ロビーでお茶を飲んでいらっしゃる間、考えられたのか、

   「さっきの値段でええから、シャワートイレの部屋にしてくれや」

と、ぼそっと仰ったのです。

こちらは悪くなくても、半分申し訳無いような気がしました。



しばらくして、

   「私は足が小さいから、スリッパを変えてくれないか」

と、お越しになりました。

その時のご様子は、なんだかとても人柄の優しそうなお客様に見えました。


そのあとで従業員から、奥様が方向音痴だからと、

ロビーでお風呂からあがる奥様を一生懸命お待ちになっていると聞きました。

奥様はそのようなことは知らずに、お部屋へ戻られたそうです。

可愛らしいご夫婦だなと思いました。



一日目は、特にお食事処には伺いませんでした。

そして二日目、その日は、お祝いのお客さまが多くお越しでした。

昨日からのお客様も、77歳だからお祝いして差し上げよう!と思いました。


お席に伺うと、

   「最初のプランにしなくてよかった」と仰ったのです。


私は胸が一杯になりました。

なんてお優しいお客様だろう。

基本と言っても、やはり申し訳ない気持ちがどこかある。

一日目は空いている日でしたから。


気分を悪くされていないかな?とずっと気になっていました。


そのことをお話して、思わず涙ぐんでしまいました。

お客さまも、同様のようで、同じように胸がいっぱいなご様子です。


   「今年で、もう78になるんや」


そこで77歳のお祝いをさせていただきました。

いよいよ感激なさるそのお客様。

好き嫌いが多くあるお客さまに、係たちはその都度対応していました。



   「私は好き嫌いがいっぱいあるのに、ここの人たちは、

    みんな嫌な顔ひとつしないで、良くしてくれた。」


と感謝まで仰ってくださっています。


この辺りの好きなそのお客さま、また今年中に来たいそうです。



そのお客様のほうでも、

到着時に私に迷惑をかけたと思ってくださっていたご様子でした。

そんなふうに思ってくださるお客さまなんて、

そう多くはいらっしゃらないです。



何かトラブルが発生した時、こちらが悪くなくても、

お客様の立場に立って考えてみる、ということが大事なのだと思います。


     また、お客様の方でも、

     「自分はお金を払っているのだから、何を言ってもいいのだ」

     とのお考えは正しくありません。


人間だれでも、間違いはある。双方で歩み寄りたいものですね。



私達は、どのお客さまにも喜んでいただきたいのは同じです。

これからも、辛い時でも今回のように、

深い喜びにきっとつながると信じて行きたいです。



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e-mailエッセー「きもちはいつまでも新米・女将のひとり言」・隔週日曜発行
 著  者:高尾葉子  okami@monya.co.jp
   発 行 者:高尾憲資  aruji@monya.co.jp
   発 行 所:季粋の宿 紋 屋  otazune@monya.co.jp
  295-0102 千葉県南房総市白浜町白浜232
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◆素顔の女将◆


紋屋のホームページでは、お料理の画像が数枚トップで繰り返されるが、

今の料理写真は、家内が最近撮ったもの。どうでしょう?(^-^)

       (※ 伊勢海老のお造りは違います)

                            (by aruji)